Pascoで知られる製パン大手の敷島製パンが、食用コオロギパウダーを使用したパンを製造販売していることで、ツイッター上では「気持ち悪い」と炎上しており、不買運動まで起こっています。
発売からすでに2年以上経過していますが、2023年2月中旬ごろから昆虫食の是非についてツイッター上で話題となり、今になって「気持ち悪い」などの意見が多く飛び交うようになっています。
なぜこのような状況になっているのでしょうか?
今回の記事では、以下の内容についてお伝えしていきたいと思います。
- 敷島製パン(Pasco)のコオロギパンをめぐる炎上の内容
- 敷島製パン(Pasco)のコオロギパンをめぐる不買運動
- 敷島製パン(Pasco)のコオロギパンの安全性
- 敷島製パン(Pasco)の他商品にコオロギパウダーが混入する可能性はあるのか
- 敷島製パン(Pasco)が製造しているコオロギパン以外の昆虫入り商品
敷島製パン(Pasco)のコオロギパンをめぐる炎上の内容
今回炎上の渦中にある商品は敷島製パン(Pasco)とFUTURENAUT(フューチャーノート:研究、事業を通して昆虫由来食品の市場を創造し、環境問題や食料危機のリスク低減に貢献するという理念の元で活動している大学発ベンチャー企業)がコラボし、「Korogi Cafe(コオロギカフェ)」シリーズとして、フィナンシェやクロワッサン、バウムクーヘン、バゲットなど、2020年からオンラインショップで数量限定販売されてきました。
発売当初は発売開始2日で完売するなど評判も良く、炎上することはなかったのですが、最近になって、選択制ではあるが給食にコオロギパウダーやコオロギエキスの入ったメニューが供されたというニュースなどがきっかけで昆虫食の是非についてツイッター上でも物議をかもしており、敷島製パン(Pasco)の公式ツイッターも炎上しています。
敷島製パン(Pasco)の公式ツイッターの固定ツイートは現在コオロギパンとは全く関係のない「春のプレゼント」に関するものです。
しかし、こちらの固定ツイートへのコメントにもコオロギパンへの抗議が多数寄せられており、炎上の様相を呈しています。
固定ツイートへのコメントの一部をご紹介します。
(すべてツイッターより引用。原文のまま。)
国産小麦(“超熟 国産小麦”は素晴らしい!)、国産米粉、国産大豆粉などを使って貴社の技術を活かし、伸ばし、いつまでもおいしいパンを食べられる世界を創って下さい。これが本当の #SDGs です。未来を創るのは決してコオロギパンや昆虫食ではありません。心からのお願いです🙏
パンを買う時はPASCOさんを選んでいました。イングリッシュマフィン、米粉パン、国産小麦のパンなどが大好きでした。
コオロギパンについて考え直していただきたいです。
皆様書いてますが、コオロギを食するリスクが大きいです。
私も貴社がコオロギを取り扱う間不買運動します。
安全な国産小麦粉を使用していたはずなのにコオロギパウダー使用じゃあ本末転倒。企業のモラルはどこへ?コオロギを使う事が善として企業努力しているつもりでしょうが、方向性間違っていませんか?世界経済フォーラムのグローバリストの言う事など聞く必要ない。いい加減目を覚まして欲しいです。
内閣府食品安全委員会がはっきりコオロギは危険だと2018年の段階で言っているのに
市販のパンの中で、唯一購入していたのが御社のパンでした。コオロギは残念です。
また、このTweetのリプに対して、好意的なものにはお返事して、コオロギの批判的なリプは無視する態度にも、残念です。
今回の件、応援していたのに御社の企業姿勢は非常に悲しいです。
今回、敷島製パン(Pasco)の公式ツイッターが炎上に至った経緯にはいくつかのポイントがあります。
・選択制ではあるものの、給食にコオロギパウダーやコオロギエキスを使用したメニューを供したニュースが報じられ、昆虫食の是非に対する議論が激化しているタイミングであった。
・敷島製パン(Pasco)は、「シンプルな原材料で、どこよりもおいしくて、あんしんなパンをつくりたい。それがPascoの姿勢です。」とホームページにも明記しており、その企業姿勢に共感した人の購入も多かった。
・コオロギを食用することに対してのリスクが内閣府の食品安全委員会からも発表されている。
(敷島製パン(Pasco)のコオロギパンの安全性の項目で詳述)
・敷島製パン(Pasco)の公式Twitterは、いつもコメントに丁寧に返信しているが、コオロギパン関連のコメントについては返信なし。
上記の要因が絡み合って、敷島製パン(Pasco)の公式ツイッターの炎上が未だ収まらない状況にあると考えられます。
敷島製パン(Pasco)のコオロギパンをめぐる不買運動
敷島製パン(Pasco)がコオロギパンの製造・販売していることに抗議して、敷島製パン(Pasco)の商品の不買運動が広がっています。
実際にスーパーの陳列棚を撮影したツイートも多く見られました。
コオロギパンはオンライン限定販売なので、現在スーパーなどの店頭に並んでいる商品にコオロギパンはないのですが、敷島製パン(Pasco)の商品全体の売れ行きが明らかに悪くなるという事態に陥っています。
また、Pascoの人気商品である超熟にコオロギパウダーが使用されていると解釈をする人も一定数いて、不買運動にさらに拍車がかかっているようです。
敷島製パン(Pasco)のコオロギパンの安全性
敷島製パン(Pasco)の公式ツイッターが炎上している大きなポイントのひとつにコオロギパンの安全性への疑問があります。
2018年に内閣府の食品安全委員会が公開した資料によると、下記のリスクが懸念されています。
(1)総計して、好気性細菌数が高い。
(2)加熱処理後も芽胞形成菌の生存が確認される。
(3)昆虫及び昆虫由来製品のアレルギー源性の問題がある。
(4)重金属類(カドミウム等)が生物濃縮される問題がある。
寄生虫、カビ類、ウイルス、プリオン、抗菌剤耐性及び毒物類等の他のリスクは低いと判定された。数種のリスクに関しては、更なるエビデンスが必要であることを強調しておく。
(引用元:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu05010960149)
アレルギーについては、エビやカニなどの甲殻類アレルギーの有無は目安にはなりますが、甲殻類アレルギーを持っていない人でも、昆虫による食物アレルギーを発症する事例も存在しているようです。(参照:昆虫食専門のTAKEO ONLINE STORE)
また、コオロギは古くから漢方で利用され、漢方医学大辞典にもコオロギについての記載があります。
効能は利尿消腫。臨床応用は尿閉、水腫、気脹を治す。2~6個を煎服し、或いは1回1~2個を焦がし焙って粉末にして呑服する。妊婦は禁忌。
漢方医学大辞典
内閣府の食品安全委員会が公開している書類に挙げられたリスクに関する不安や、古くから漢方として利用されるほど薬効のあるものを、パンなど常食するものに入れることに対する懸念が大きいのも頷けます。
これらの情報から、安全性が十分とは言い難いのではないでしょうか。
敷島製パン(Pasco)にも、これらの不安や懸念を払拭できるようしっかりと説明をしていただけるとありがたいですね。
敷島製パン(Pasco)の他商品にコオロギが混入する可能性はあるのか
敷島製パン(Pasco)の他商品については、製造工場・製造ライン・製造に関わるスタッフすべてが異なるとのことで、他の商品についてはコオロギパウダーが混入する可能性はない状況です。
上記について誤認して商品を避けている人も一部でいるようですが、それ以上にコオロギパンを製造していること自体への抗議の意味での不買運動が広がっており、これから終息までに時間がかかるかもしれませんね。
敷島製パン(Pasco)が製造しているコオロギパン以外の昆虫入り商品
敷島製パン(Pasco)は、未来食Laboというシリーズで、「まゆの便り」という食用として養殖された「かいこ」を粉末にした食用蚕パウダーを配合したクロワッサンやマドレーヌの販売もしています。
コオロギはエビに似た風味であるのに対し、蚕はナッツのような風味がするそうです。
こちらの蚕についても甲殻類アレルギーのある方にはリスクの高いものになっていますので、ご注意ください。
まとめ
今回の記事では、敷島製パン(Pasco)のコオロギパンをめぐる炎上の内容・不買運動・安全性、他商品にコオロギパウダーが混入する可能性はあるのか、コオロギパン以外の昆虫入り商品についてご紹介していきました。
・敷島製パン(Pasco)の公式ツイッターの炎上がなかなか収まらず、不買運動も広がっている状況です。
・安全性については、内閣府の食品安全委員会が公表しているリスクや薬効のあるコオロギを食することに対する懸念があります。
・他商品にコオロギパウダーが混入する可能性はありませんでした。
・コオロギパン以外の昆虫入り商品については、食用として養殖された「かいこ」を粉末にした食用蚕パウダーを配合したクロワッサンやマドレーヌの販売もしています。
様々な意見に対して、敷島製パン(Pasco)からも十分な説明をしていただいて、炎上が鎮火することを願っています。
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